調理師・パティシエのmakiです。SNSや様々なメディアでレシピを発信しています。私のプロフィールについてはこちらをご覧ください。
今回はお菓子作りでの「トースターのお悩み」についてまとめてみました。
良く焦がしてしまう方や、適切な火加減(火力)が分からないという方は、参考にしてみてください。
お菓子作りに便利なトースター
トースターはパンを焼くだけではなく、最近ではお菓子作りにトースターを使用するレシピが増えてきていて、その手軽さからとっても人気があります。トースターでのお菓子作りは少しコツが入りますが、ポイントさえ押さえてしまえば沢山のアレンジができるので、ぜひこの機会に活用してみてください。
オーブンレンジとトースターの違い
「焼成」の行程で使うオーブンレンジとトースター。それぞれにどんな特徴があるのかわかりますか?トースターを持っていないよという方は、参考にしてみてください。
大きさ・重さ・値段
オーブンレンジは10kgを超えるものが多く、場所もとります。
価格は1万円程度から購入できますが、それなりの性能を求めると2〜3万が相場かな良いと思います。
トースターは3kg程度と軽くてコンパクトです。価格は5000円程度でハイパワーなものが多いので、1台あると便利です。
温度調節と所要時間
オーブンレンジは細かく温度調節ができるため、庫内温度を一定に保つことができます。例えばスポンジ生地や焼きプリンなど、中までじっくり時間をかけて加熱したいときに使います。
オーブンがあればほとんどのレシピを作ることができますが、予熱が必要な場合が多いので、時間かかることがデメリットです。
トースターは短時間で高温になるので、表面をこんがり焼くときに便利です。
温度調節とサーモスタットにより、ヒーターがついたり消えたりするので、庫内温度に温度変化があるので注意が必要です。慣れるまでは失敗することもあるかもしれませんが、オーブンレンジよりも時間をかけずにお菓子を作れるので、コツを掴んでしまえばトースターの方がずっと手軽で簡単です。
トースターで作れるお菓子
手軽に使えて便利なトースターですが、残念なことに作れるお菓子には限りがあります。判断基準は、火が通りやすいか通りにくいかです。
気になるレシピをトースターに置き換えて作ってみたいけど、基準がわからないという方は、参考にしてみてください。
火が通りやすいもの
・クッキー、マドレーヌ、パウンドケーキなど
一見火が通りにくそうなケーキですが、ベーキングパウダーで膨らませるものはアルミホイルを被せて焼けば焦がさずに中まで火が通すことができます。
・パン、ピザ、フォカッチャ、ナンなど
パンなどのイースト菌で膨らませるものも、焦げそうになったアルミホイルを被せれば、中まで火が通すことができます。
火が通りにくいもの
スポンジケーキ、シフォンケーキ、カステラ、マカロン、ガトーショコラなど
一般的に卵を泡立てる生地のものは、一定の温度でじっくり火を通す必要があるため、オーブントースターの使用がおすすめです。
ただ上記のお菓子などでも卵を泡立てず、ベーキングパウダーで代用するレシピはあるので、『スポンジ生地 ベーキングパウダー』などで一度検索してみることをおすすめします。
トースターはオーブンレンジに比べ、中へ火を通しにくいので、ケーキなど高さのあるのものは、できるだけ薄めに広げるなどの工夫をすると、さらに焼きやすくなりますよ。
ワット数は一体何度?
トースターはワット表記が多いので、「180℃で焼くときはどの設定にすれば良いの?」と悩む方も多いと思います。あくまで目安ですが、ワット数から温度表記へ変換してみたので参考にしてみてください。
ワット数 | 温度 |
300W | 140℃ |
500W | 180℃ |
600W | 200℃ |
1000W | 230℃ |
1200W | 260℃ |
低温 | 140~160℃ |
中温 | 170~190℃ |
高温 | 200~250℃ |
焦がさないために
トースターで焼いている時に、少し油断したらあっという間に焦がしてしまった…という経験もあるはず。焼き時間がまだまだ残っているのに、焼き色がちょうど良い場合は、アルミホイルを被せて焼くようにしましょう。
また「お菓子の裏面に天板のしましま模様がついてしまう」とお悩みの方も多いです。味に支障はないものの、プレゼント等にする場合は、見た目にもこだわりたいですよね。トースターは裏面に当たる火力が強いので、『シルパッド』を敷くと良いでしょう。製菓店で使われる、プロ用のオーブンシートで、洗って繰り返し使用できます。適度な凹凸のおかげで均一に蒸気が抜けるので、ムラなく焼けて仕上がりも綺麗になるので、おすすめです。
残念なことにトースターのサイズ規格はないので、お持ちの天板に合わせてハサミでカットして使用してくださいね。
トースターの選び方
ポップアップ式などのトースターは、お菓子作りはできないので、「オーブントースター」を選ぶようにしましょう。また、お菓子作りで使われる温度帯は160~200℃が多いので、200℃もしくは1000W以上のものを選ぶようにしましょう。
冒頭でも載せた愛用中のトースター(最新型)
約5000円と安価なのに上下ヒーターで安心の火力。温度調節のダイヤルも温度表記なところもわかりやすいです。実際に7年ほど愛用していますが、トレーや扉が取り外し可能なので、お手入れ外やすいところもおすすめです。
価格は上がりますが、過熱水蒸気機能付きのトースターもあります。お料理の幅が広がるのはもちろんですが、庫内に蒸気が広がるので、ケーキなどよりしっとり焼き上げたいお菓子にもおすすめです。
トースターの便利グッズ
過熱水蒸気機能がなくても、トーストスチーマーに水を含ませるだけで蒸気を発生させられます。お菓子作りに蒸気が必須なわけではなく、一度作ってみてパサつきが気になるようであれば、購入を検討してみても良いでしょう。
プリンなど湯煎焼きするときに、深型のバットがあるとお菓子作りの幅が広がるので便利です。
おすすめレシピ本
トースターを使うメリット
オーブンレンジに比べ、予熱なしで使えるトースターは、時短で電気代の節約にも繋がります。今すぐ食べたい!そんな思いつきから、気軽にお菓子を作れるので、トースターレシピはとても人気があります。お菓子作りが面倒に感じる方、初心者の方は、ぜひこの機会に活用してみてはいかがでしょうか?
少しでもお菓子作りが楽しいと思える時間が増えたら嬉しいです!